5章文書構造

SVGでは、文書の構造と提示方法(プレゼンテーション)を分けることができると、これまで簡単に説明してきました。この章では、その2つを比較対照し、文書の提示に関する側面について詳しく説明します。その後で、SVGのいくつかの要素を紹介します。これらの要素を使うと、文書の構造がより明確に、より理解しやすく、より管理しやすくなります。

5.1 構造とプレゼンテーション

「1.4.2 基本的な図形」で述べたように、XMLの目的の1つは、データを構造化し、その構造と視覚的な提示方法(プレゼンテーション)とを切り離すための手段を提供することです。1章の猫の絵について考えてみましょう。あなたがそれを猫と認識するのは、その構造——絵を構成する幾何学的な形状の位置や大きさ——によるものです。ひげを短くしたり、鼻を丸くしたり、耳を長くして端を丸くしたりするなど、構造上の変更を加えたとしたら、たとえ外見のプレゼンテーションがどのようなものであったとしても、その絵はウサギのように見えてしまうでしょう。したがって、構造とは、そのグラフィックが何であるかを示すものと言えます。

視覚的なスタイルに関する情報が重要でないというわけではありません。もし、紫色の太い線で猫を描き、その内部をグレーで塗ったとしたら、猫として認識はできるかもしれませんが、その見た目は、まったく心地よいものではないでしょう。これらの違いを図5-1に示します。XMLでは、構造とプレゼンテーションを切り離すことが推奨されます。残念なことに、XMLに関する議論では、プレゼンテーションをおろそかにして、構造ばかりが重視されがちです。本書では、SVGでのプレゼンテーションの指定方法を詳しく説明することで、この誤りを正したいと思います。 ...

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