付録D実際に運用されている機械学習パイプライン

久保 隆宏●TIS株式会社

本付録は日本語版オリジナルの記事です。本稿では、機械学習パイプラインが、UberやSpotifyといった先進的な企業でどのように構築され、利用されているかを解説します。皆さんが機械学習パイプラインを構築するときに、先駆者たちの知見は大いに役立つでしょう。

解説する事例は5社です。Spotifyを除く4社は、機械学習プラットフォームへ小洒落た名前を付けています。

  1. Uber: Michelangelo
  2. Spotify: ML Platform
  3. Twitter: DeepBird-v2
  4. Netflix: Meson
  5. Airbnb: Bighead

解説は3つの観点から行います。

  • 機械学習パイプラインの構成
  • 機械学習パイプライン構築の狙い
  • 機械学習パイプライン構築から得られた成果

最初に、機械学習パイプラインの構成を解説します。全体の構成を示したあとに、個別の構成要素を解説します。構成要素の解説では、工夫している点や、使用しているライブラリ、フレームワークの解説をします。どのような工夫を、どのような手段で行っているかは、機械学習パイプラインを構築するときに役立つでしょう。

次に、機械学習パイプライン構築の動機を解説します。チーム横断で使用するインフラの構築には、相応の投資が必要です。各社が投資した背景にある課題や戦略を知ることは、皆さんの上司やチームメンバーに機械学習パイプラインの必要性を伝えるときに役立つでしょう。動機を共有することはとても大切なプロセスです。インフラは1人では構築できませんし、1人で使うものでもないからです。

最後に、機械学習パイプラインの構築を通じて得られた成果を解説します。成果には、ビジネス上の効果だけでなく組織としての学びも含みます。 ...

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