12章物理演算と立体音響
この最終章では、Three.jsの基本的な機能を拡張できるライブラリPhysijsを紹介します。Physijsは3Dシーンに物理法則を導入するライブラリです。「3Dシーンに物理法則を導入する」とはつまりオブジェクトが重力の影響を受け、お互いに衝突し、衝撃を受けて移動し、ヒンジやスライダーなどで動きが制限されるようになるということです。このライブラリは内部的にはammo.jsという有名な物理エンジンを利用しています。本章では物理法則だけでなくシーンに立体音響を追加する方法についても説明します。
この章では次のようなトピックについて説明します。
- オブジェクトが重力の影響を受け、お互いに衝突するようになるPhysijsシーン
- シーン内の物体の摩擦係数と反発係数
- Physijsがサポートしているさまざまな形状
- 単純な形状を組み合わせた合成形状
- ハイトフィールドを使用した複雑な形状
- オブジェクトの動きの制限する点制約、ヒンジ制約、スライダー制約、コーンツイスト制約、自由度制約
- 左右の音量がカメラの位置に基づいて決定される音源
まず初めにPhysijsと組み合わせて使用するThree.jsシーンを作成します。本章の最初のサンプルをその説明に使用します。
12.1 基本的なThree.jsシーンの作成
Three.jsシーンをPhysijsのために設定するのは非常に簡単で、必要となるのはほんの数ステップです。初めにGitHubリポジトリ(http://chandlerprall.github.io/Physijs/)から適切なJavaScriptファイルを取得してHTMLページに読み込む必要があります。Physijsライブラリを次のようにHTMLページに追加してください。 ...
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