11章JavaScriptとの相互運用
私たちが住んでいる世界は完全ではありません。コーヒーは熱すぎて、飲んだら口の中をやけどすることがあるし、両親が電話をかけてきて残していく留守番電話は少し多すぎるし、車道のわきのくぼみは、市に何度電話しても相変わらずそのままだし、コードは静的な型によって完全に保護されていません。
私たちの多くは、次のような境遇にあります。しばしば、TypeScriptでグリーンフィールドプロジェクト(未開発な領域を開拓するプロジェクト)を開始する余裕がある場合がありますが、たいていは、より大きくてより安全でないコードベースの中に埋め込まれた、小さな安全性の島として始まります。おそらく、あなたには適切に分離されたコンポーネントがあり、それを使ってTypeScriptを試してみたいのですが、会社はそのほかのすべての場所で、通常のES6 JavaScriptを使用しているのかもしれません。あるいは、一部のコードのリファクタリングを行ったが、呼び出しサイトの更新を忘れてしまったせいで、朝の6時に呼び出されることにうんざりしているのかもしれません(今は朝の7時で、あなたは同僚が起きる前に、コードベースにTSCをこっそりマージしています)。どちらにしても、おそらく、型のない海の中でTypeScriptの島から始めることになるでしょう。
本書ではこれまで、TypeScriptを正しい方法で記述することを教えてきました。この章では、TypeScriptを実践的な方法で記述することを学びます。たとえば、型付けされていない言語からの移行の過程にあるコードベース、サードパーティーのJavaScriptライブラリーを使用するコードベース、本番環境を修正するためのすばやいホットパッチのために型安全性をしばしば犠牲にするコードベースなどで、TypeScriptを記述する方法です。この章では、JavaScriptとの連携を専門的に扱い、次のことを学びます。 ...
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