UnityによるARゲーム開発 ―作りながら学ぶオーグメンテッドリアリティ入門

2章プレイヤーの位置のマッピング

リアルワールドゲームのほとんどは、地図による位置情報を利用しています。仮想世界に配置されたゲームプレイヤーと現実世界における位置を統合することにより、ゲーム内の仮想世界が現実の世界に広がり、プレイヤーは新しい視点と感覚で世界を探索することができます。

この章では、Unityで開発するゲームと地図を統合するための、最初の手順を紹介します。実際にUnityで作業する前に、GISとGPSの基本について説明します。この説明で、複雑な話題に入る前に簡単な定義と背景を知っておくことができます。その後、Unityの作業に戻り、Foody GOプロジェクトに位置情報を利用した地図、基本キャラクター、自由視点カメラを追加します。難しい内容を扱っていますが、できるだけわかりやすいようにし、コードの細かい部分には立ち入りません。もちろん、GISの基礎知識を持つ高度な読者向けには、既存の解説に加えて、コードを説明する機会もあります。

この章で紹介する内容を簡単に説明します。

• GIS用語と基本原則
• GPS用語と原則
• Googleマップ
• 素材の読み込み方
• サービスの設定
• CUDLRを使ったデバッグ方法

2.1　GIS用語

GIS（Geographic Information System）とは地理情報システム、つまり地理的データを集め、保存し、分析し、操作し、地図情報として提供するシステムのことです。このGISの定義は一般的ですが、最近ではアプリケーション、ハードウェア、ツール、科学技術、地図サービスのすべてを意味するようになりました。例えば、Googleマップは、GISが使われているもっともよく知られた例です。本書の中では、GISという用語を地理データと位置情報を変換する理論とその具体的な技術という意味でも使用します。 ...