この章で説明するダマすグラフは、日常に多く潜んでいます。これらのグラフはミスリードを誘う手法としてよく知られているにもかかわらず、テレビなどのマスコミを中心にいまだに使われています。例えば以下のグラフはどのように見えるでしょうか。
犬派より猫派が多数派のように見えますが、実際の割合は犬派のほうが多いです。
このようなグラフはよく見かけますが一度しくみを理解してしまえば、ダマされるようなことはなくなるでしょう。本章を読んでいただければ、大部分の恣意的なグラフを見破ることができます。
グラフで表現するサンプルデータについて
サンプルデータに筆者自身の意思が入らないように、主に数値の差が大きく見えるフィボナッチ数列を用います。フィボナッチ数列は「2つ前の項と1つ前の項を足し合わせていくことでできる数列」です。
1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 21, 34, 55, 89..
この値がどの程度恣意的に歪められるかグラフで確かめてみます。
3Dグラフ
まず取り上げたいのは、グラフを立体的に表現した3Dグラフです。自分が聞いているプレゼンテーションの中に、3Dグラフが出てきたら、その内容を注意して確かめるようにしましょう。棒グラフでも円グラフでもそれ以外のグラフでもです。例を示しながら説明します。
3D棒グラフも3D円グラフも手前のデータがより大きく見えます。特に円グラフは「89」のデータより、手前の「55」のデータの方が大きく見えます。 ...
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