11章分散ワークフローの管理
3月15日(火)14時34分
オースティンは昼食後にローガンのオフィスに飛び込んできた。「新しいアーキテクチャのデザインを見ていて、何か手伝いたいと思ったんですが、ADRを書いたり、スパイクを手伝ったりする必要はないですか? 疎結合を維持するために新しいアーキテクチャではコレオグラフィのみを使用するというADRでも書きましょうか?」
「ずいぶんとマニアックですね」ローガンが言った。「どこで聞いたんです? 何か根拠があるんですか?」
「そうですね、マイクロサービスについていろいろ読んでいると、誰もが高度な分離を維持するようにアドバイスしているじゃないですか。通信のパターンを見ていると、コレオグラフィが一番分離されているようなので、常にそれを使うべきなんじゃないかと考えたんです」
「ソフトウェアアーキテクチャでは、『常に』というのは厄介な言葉です。これについて印象的な見解を持っていたメンターがいました。そのメンターがいつも『アーキテクチャについて話すときは、絶対的なものについて語るとき以外、絶対という言葉を使ってはいけない』と言っていました。つまり、『絶対に「絶対」と言うな』ということです。アーキテクチャの判断の多くには、『常に』や『決して』といった言葉は当てはまりません」
「分かりました」オースティンは言った。「では、いくつかの通信パターンから一つを決定するにはどうしたら良いでしょう?」
現代の分散アーキテクチャに関連するトレードオフ分析を続けていく中で、筆者らは ...
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