11章おわりに

将来のエンタープライズデータランドスケープは、まったく新しい方法で構成されるでしょう。本書で学んだように、今後数年間はデータの分散化が進み、データの所有権も大きく変化することが考えられます。その結果、企業は、これまで慣れ親しんできたデータモデル管理の方法を、変えていくことになるでしょう。

本書で紹介したScaled Architectureは、大きな意味を持ちます。革新的であり、従来の考え方を越えたものです。データコンシューマの広がりつづけるニーズに対応するため、最新のパターンを数多く備えた普遍的な統合アーキテクチャを特徴としています。本書で説明したメタデータモデルと原則は、データの流通と統合を行う際に一貫性を確保できるように設計されています。3つの統合アーキテクチャは、さまざまな統合ニーズをターゲットにしており、メタデータがすべてを一つにまとめています。

Scaled Architectureのガバナンスとセキュリティによって、持続可能で将来性のあるものになります。今後数年間は、データをビジネスの中心に据える組織にとって、パラダイムシフトが起こるでしょう。この動きは、アプリケーションベースの所有という考え方から、データベースベースの所有という考え方への移行という、もう一つのトレンドによって後押しされることになるでしょう。そのためには、新しいガバナンスと、DataOpsやMLOpsといった従来とは異なる運用モデル、さらにプロダクト思考†1などの、これまでとは異なるマインドセットが必要となります。 また、アプリケーション統合やソフトウェアアーキテクチャ、データ管理の世界をもっとお互いに密接に連携させる必要があります。大企業は、多くの分野で多才な専門家による実践を組み合わせていくことを迫られるでしょう。Scaled ...

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