9章チャネルの操作とペイメントの転送
本章では、ペイメントチャネルとHTLC(Hash Time-Locked Contract)を1つにまとめます。7章では、AliceとBobが2つのノード間でペイメントチャネルを作成する方法について説明しました。また、ペイメントチャネルを保護するコミットメントとペナルティのメカニズムも調べました。8章ではHTLCを取り上げ、HTLCを使って複数のペイメントチャネルからなるパスでペイメントをルーティングする方法を調べました。本章では、各ペイメントチャネルでHTLCをどのように管理するのか、チャネルの状態にHTLCをどのようにコミットするのか、チャネルの残高を更新するためにHTLCをどのように決済するのかを調べることで、ペイメントチャネルとHTLCという2つの概念を1つにまとめます。
具体的には、「HTLCの追加、決済、失敗」と「チャネルのステートマシン」について説明します。図9-1では、ピアツーピア層とルーティング層が重なる部分に当たります。
9.1 ローカル(シングルチャネル)とリモート(複数のチャネル)
ペイメントチャネル経由の支払いは、単にチャネルの残高を更新し、新しいコミットメントトランザクションを作成するという方法でも送金することが可能です。しかし、ライトニングプロトコルはペイメントチャネルでの「ローカル」の支払いにさえHTLCを使います。その理由は、1ホップだけの支払いなのか(ペイメントチャネルが1つだけ)、複数のホップでの支払いなのか(複数のペイメントチャネルにわたってルーティング)にかかわらず、プロトコルの設計を同じに保つことにあります。 ...
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