マスタリング・ライトニングネットワーク ―ビットコインの迅速な支払いを実現するセカンドレイヤーブロックチェーンプロトコル

15章ライトニングのペイメントリクエスト

本章では、ライトニングのペイメントリクエストを詳しく見ていきます。ペイメントリクエストの呼び名としてはライトニングインボイスのほうがよく知られています。

15.1　ライトニングプロトコルスイートでのインボイス

ペイメントリクエストはインボイスとも呼ばれ、図15-1の枠で囲まれている部分に当たります。

図15-1 ライトニングプロトコルスイートでのペイメントリクエスト

15.2　ペイメントリクエスト：概要

ここまで見てきたように、ライトニングペイメントを完了するには、少なくともペイメントハッシュと宛先の2つのデータが必要です。ライトニングネットワークはHTLCの実装にSHA-256を使うため、この情報を送信するには32バイトが必要です。これに対し、宛先は単に支払いの送信先となるノードのsecp256k1公開鍵です。ライトニングネットワークのペイメントリクエストの目的は、これら2つの情報を受取人から支払人に伝えることにあります。支払いを完了するのに必要な情報を受取人から支払人に伝えるためのQRコード対応のフォーマットは「BOLT #11: Invoice Protocol for Lightning Payments」†1で定義されています。実際には、このエンコーディングに十分な機能を持たせるために、ペイメントリクエストではペイメントハッシュと宛先以外の情報も送信されます。

[†1] https://github.com/lightning/bolts/blob/master/11-payment-encoding.md ...