4章

バックアップとリカバリの基本

 バックアップとアーカイブとは何か、それらをどう安全に保つかを定義したので、今度はバックアップの概念を深く掘り下げる必要がある。初めに、リカバリテストの全ての重要概念、続いてバックアップレベルを取り上げる。次に、多くのバックアップ指標、特にRTOとRPOの概念と何よりこれらがバックアップ設計をどう決定するのかを見ていく。それから、イメージレベル vs. ファイルレベルバックアップとバックアップの内容がどのように選択されるかの話をする。それにしても、最初の、そしておそらく最も重要なバックアップの考え方は、全てのバックアップはテストされなければならない、ということだ。

4.1 リカバリテスト

 バックアップとリカバリの基本的な考え方において、何かをバックアップする唯一の理由は、それがリストアできるからだと理解すること。これほど重要なことはない。そして、保護しているものがリストアできるかを知る唯一の方法は、それをテストすることだ。定期的なリカバリテストは、バックアップシステムの基本でなければならない。

 バックアップシステムの有効性とそのドキュメントをテストする以外に、定期テストは担当者のトレーニングにも役立つ。最初に大規模なリストアを実行するのが本番へのリストアの場合、それには非常な緊張が伴うため、エラーが起きやすくなる。予め、このようなリストアを幾度となくやっていれば、通常の手順に従うだけでよい。

 自分が担当する全てのもののリカバリを定期的にテストすべきだ。そこには小さなものもとても大きなものも含まれる。テストの周期は、そのリストアがどれくらいの頻度で発生するかに関連しているはずだ。大規模なDR(ディザスタリカバリ)テストは年数回が適切かもしれないが、個々のファイルやVMは1人あたり週に1度はリストアした方がいい。 ...

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