6章
従来型データソース
企業のデータがどこにあるかを理解するのは、私がバックアップとリカバリのキャリアを始めた頃よりずっと複雑になっている。その頃、もし誰かが私に会社のデータはどこにあるのかと聞いたなら、その人を廊下の奥まで連れて行って指さすだけでよかった。「そこ。そこに会社の全データがある」。私はそう言いながらデータセンターを指さしただろう。全てのサーバは物理で、ラップトップPCは珍しく、デスクトップPCでさえも一般的ではなかった。現在のITスタッフにとってはイメージするのが難しいだろうが、我々はデータセンターの中のサーバと接続するために、ダム端末と呼ぶものを使っていた(AT&T3B2*1上で稼働するLotus1-2-3*2やDEC Ultrix*3)サーバ上で稼働するcurses版*4のWord Perfect*5)。全てのデータはデータセンターの中にあった。だから、データセンターと呼ばれたのだ。
*1 [訳注]AT&T3B2は、AT&Tコンピュータシステムの子会社、ウェスタン・エレクトリック社が開発したマイクロコンピュータ。1984年に発売されたシリーズ最初のモデルは32ビット、8MHzのマイクロプロセッサで稼働した。
*2 [訳注]Lotus1-2-3は、ロータス・デベロップメントが開発・販売していたパソコン用表計算ソフト。
*3 [訳注]DEC Ultrixは、ディジタル・イクイップメント・コーポレーション(DEC)が開発したUnixのブランド名。
*4 [訳注]cursesは、Unix系システムでの端末制御ライブラリ。テキストユーザインターフェースアプリケーションを作成するのに使われた。
*5 [訳注]Word Perfectは、1980年代から1990年初頭まで人気の高かったワープロソフト。 ...
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