12章
データ保護ターゲット
データ保護ターゲット(バックアップやアーカイブの送信先となるデバイス)は、データ保護業界において、かつてないほど増えている。私がMBNAで「バックアップ担当」として働き始めた何十年も前、選択肢はただ1つ。テープドライブだった。唯一の問題は、どのテープドライブを使うかだったが、多くのサーバベンダは、予めテープドライブを事前にインストールした状態でサーバを出荷していたので、ほとんどの場合、それは問題にはならなかった。HPサーバには4ミリDDSドライブ(容量2、8、24GB)、DECサーバにはTK50(94MB!)、AT&T 3B2にはQIC-80テープドライブ(容量80MBで速くない)が付いてきた。また、メインフレームには9トラックのテープドライブを使っていた。このテープドライブを知らない人のために言っておくと、古いコンピュータ映画で必ず目にする大きなオープンリール式のテープドライブだ。
今日、データのバックアップを任されている人たちは、他にも多くの選択肢と決断を迫られている。このような決定には、様々な選択肢に関する誤った情報がつきものだ。この章で選択肢に関する公平な情報を提供することにより、あなた自身が正しい知識に基づいた判断を下せるようになることを願っている。
12.1 テープドライブ
テープドライブは、現在も本番環境で使用されている最も古いデータ保護デバイスだ。パンチカードや紙テープもあったが、磁気テープドライブは、サーバに保存されたプログラムやデータをバックアップするメカニズムとして最初に普及したデバイスだ。私は、TRS-80*1をカセットテープにバックアップしていたのを覚えている。いや、もうはるか昔の話だ。
*1 [訳注]TRS-80は、1977年初めにタンディ・コーポレーションが発売し、同社が経営する家電量販店のラジオシャックで販売したザイログZ80ベースのマイクロコンピュータの機種・シリーズ名、およびそれらZ80搭載機と互換性を持たないいくつかの家庭用コンピュータを包括したブランド名。 ...
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