9章チームワーク
若いころ、チームワークが大嫌いでした。学校の課題は、グループでするより自分だけでするほうがたいてい早く終わりました。グループだと、他のメンバーに自分のお株が奪われるように感じていました。そして、自分のやり方が正しいと「わかっている」のに、わざわざそれを主張しなければいけないことに腹を立てていました。
そのころの自分をあまり好きではなかったと思います。
ふりかえって考えると、社会的交流にあまり関心がない自分にとって、将来性のありそうな職業を選んだのかもしれません。自分以外のプログラマーでもそういう人はいると思います。
しかし、残念ながらソフトウェア開発者が1人で仕事をすることはめったにありません。
他のプログラマー、プロダクトオーナー、マネージャー、運用スペシャリスト、デザイナーなどと一緒にソフトウェア開発チームで仕事します。これは1.3.4で議論した「実際の」エンジニアたちも同じで、チームで働きます。
エンジニアとしての大きな役割の1つは、さまざまなプロセスに従うことです。本章では、ソフトウェアエンジニアリングに役立つプロセスについて学びます。そのプロセスを使って、自分やチームメイトがコードをもっとすばやく理解できるようにしましょう。
警告しておきます。プロセスとアウトカムを混同しないでください。チェックリストと同じように、プロセスに従うと成功の可能性が高くなります。でも、どのプロセスでもいちばん重要なのは、そのプロセスの根底にある真意を理解することです。特定のプロセスがなぜ有益なのかを理解すれば、それに従うべきときと、そこから逸脱すべきときがわかります。最終的には、アウトカムが重要なのです。
アウトカムは良いものにも悪いものにもなりえることを忘れないでください。 ...
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