2章3つの地図
スタッフエンジニアには広い視野が必要です。インシデントに対応したり、ミーティングを開催したり、メンタリングを行ったりする際は、一緒に働いている人々やステークホルダーについてのコンテキストが必要になります。戦略を提案したり、プロジェクトを前進させたりする際には、自分の組織がどのように機能しているかや、どんな困難に遭遇する可能性があるかを理解したいでしょう。そして、日々の業務の外に出て、みんなが目指すべき方向を見極められなければ、何に取り組むべきかについて良い選択は行えません。
1章では、スタッフエンジニアとは何か、なぜ組織にスタッフエンジニアが必要なのかについて、大局的な視点から説明しました。スタッフエンジニアの役割を理解するのに役立ついくつかの公理を定義し、次に、あなた自身の役割におけるいくつかの側面(レポートライン、スコープ、仕事の好み、現在の重点事項)を詳しく解明するための現状把握ミッションに取り組むようお勧めしました。これまでは自分の仕事の全体像を持っていなかった方も、今は全体像を手にしているはずです。しかし、見知らぬ街での案内やハイキングを経験したことがあれば、自分の現在地を知ることは始まりに過ぎないとわかっているでしょう。方向を定めるには、周囲の状況についても知る必要があります。
2.1 あれ、誰か地図は持ってきた?
本章では、いくつかの地図を描くことで、あなたの仕事と組織の全体像を把握します。地図に描く内容は、目的によって変わります。たとえば、1つの地図に標高、選挙区、地下鉄の案内をすべて盛り込もうとはしないでしょう。ここでも、持っている情報すべてを重ね合わせて1枚の緻密で読みにくい地図として表すのではなく、目的に応じた3つの地図を作成します。作成する地図で全体像が完璧に把握できるわけではありません。しかし、仕事について考え、自分がどこにいるのか、組織がどのように機能しているのか、そして全員が何をしようとしているのかを問うための便利なツールにはなるはずです。 ...
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