3章全体像を描く
全体像を失ったグループに関する、お気に入りのエピソードを紹介します。かつて所属していたある組織で、全体ミーティングが予定されていたときのことです。そのミーティングでは、事前に参加者が議題を提案できるようになっていて、議題にあるクリティカルなシステム(仮にSystemXとします)で発生した障害についての質問が挙げられていました。それに答えることになった私がミーティングの準備をしていると、ほぼ同時に3通のDMが届きました。
- 1通目「SystemXが問題になっていることは承知していますが、サポートするチームの人員を増強し、スケールに対応できるようレプリカを追加しているので、安心するよう伝えてください。これ以上の障害は予想していません」
- 2通目「誰かがこれを議題に挙げてくれて、すごくうれしいです。SystemXはもう完全に非推奨なシステムとなっています。私たちは稼働を止めるよう計画すべきです」
- 3通目「SystemXをどのように進化させるかを検討するワーキンググループを立ち上げたと、みんなに伝えてくれませんか。次の四半期に計画を発表します。もしワーキンググループに参加したい人がいたら、私に連絡をしてもらえるよう伝えて欲しいです」
全体ミーティングは、これら3つの非常に合理的な道筋のいずれにとっても、広く知ってもらう絶好の機会だったのでしょう。しかし、なぜ3つの異なるプランが存在していたのでしょうか?
2章の終わりで、私たちは組織が持つ既存のトレジャーマップを明らかにしました。もしあなたのグループがトレジャーマップを手にしているなら、つまり、よく理解された魅力的な1つの目的地と、そこに到達するための計画を持っているのなら、全体像はすでに完成しています。大きなプロジェクトを実行する方法について説明する ...
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