11章イノベーション文化を育てる
あなたの会社の競争優位や生き残りは解決策そのものではなく、あなたの会社の社員が状況を理解し、解決策を出す能力にあることを忘れないでほしい。
マイク・ローザー
私たちはいまでは、学習とは変化についていくための生涯にわたる作業であるという事実を受け入れる。そして、いちばん緊急な仕事は、人に学ぶ方法を教えることだ。
ピーター・ドラッカー
前進は歓迎するが、変化には反対だ。
マーク・トウェイン
文化は、組織が変化する環境に順応できるかを決める最も重要な要因です。ところが、文化には実体がないため、それを分析するのは難しく、文化そのものを変えるのはさらに難しいことです。組織には独自の文化があり、「成功している会社の数だけ、成功している文化がある」と言われます†1。1章では、ハイパフォーマンスな創発的文化の特徴を紹介しました。本章では、組織文化を理解する方法と、文化を変えるためにできることを説明します。
[†1] The Economist, 410, no. 8869, p. 72.
組織の文化は絶えず変化しています。組織に新たに加わる人たちもいれば、組織から離れていく人たちもいます。戦略や製品は進化して、やがて死んでいくでしょう。市場は絶えず移り変わっています。ここで大きな疑問が浮かびます。こうした環境の変化に対応しながら、組織文化をうまく進化させることは可能なのでしょうか?
組織文化に与える影響を理解するには、その基礎を理解する必要があります。まずは、組織文化のモデルを導入し、その評価方法について説明します。それから、組織変革を促進する戦略について説明します。ここでは、戦略が自律的に持続することを目指します。最後に、個人と組織の関係について調べ、「優れた」人を雇う方法について説明します。 ...
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