付録C実践 監視SaaS
松木雅幸
本書内2章の「2.3 デザインパターン3:作るのではなく買う」の中で監視SaaSの有用性について論じられていますが、本付録では、実際の監視SaaSの導入や活用方法について取り上げます。
この付録の筆者は、Mackerel(https://mackerel.io)というサービスの開発に携わっているため、このサービスを例に用いることもありますが、内容自体は普遍的なものです。
C.1 筆者と監視SaaS
筆者は、Webアプリケーションエンジニアですが、私にとって自分が作ったサービスは我が子のようなものです。だからこそ、発熱のような異変にすぐ気づき、対応をおこないたいものです。
しかし、自前で監視システムを構築することは大変で、つい他人任せにしてしまいがちでした。何を監視すればよいのかよくわからないし、監視したい項目があっても、担当者に設定を「お願い」をしないといけない。ここにはストレスを感じていました。
そんな筆者にとって監視SaaSはうってつけの存在でした。自分で監視システムを構築する必要がなく、すぐに監視を始められるからです。そして、監視SaaSを活用して自分で監視をおこなえるようになると、むしろ監視こそがサービス運営の根幹であると感じるようになりました。より監視に対して積極的になり、より安定的にサービスを運営できるようになったのです。
C.2 監視SaaSの利点
本書では、監視SaaSを使うことのメリットとして、結果としてコストメリットがあり、難易度の高い監視ツールの運用を専門家であるSaaS提供者に任せることができ、利用者は本来のプロダクト開発にフォーカスできることが挙げられています。
実際、監視SaaSを利用することで、監視に対する敷居と難易度が下がり、簡単に監視を実施できるようになります。それは、結果としてさらに大きな、あるメリットをもたらすと筆者は感じています。 ...
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