プログラミング・ビットコイン ―ゼロからビットコインをプログラムする方法

10章ネットワーキング

ビットコインが動作するピアツーピアネットワークは、堅牢性を大いに高めてくれるものです。本書執筆時点で、65,000以上†1のノードがネットワーク上で実行され、常時通信しています。

[†1] ［訳注］2020年9月時点で46,000程度です。

ビットコインネットワークは、ブロードキャストネットワークすなわちゴシップネットワークです。あらゆるノードが、それぞれの知っているさまざまなトランザクション、ブロック、ピアを取り次いでいます。プロトコルは豊富で、長年にわたり追加されてきた多数の機能を備えています。

ネットワーキングプロトコルについて注意すべき点の1つは、コンセンサスクリティカルではないということです。つまり他のプロトコルを使用して、あるノードから別のノードに同じデータを送信することができ、ブロックチェーン自体は影響を受けません。

このことを念頭に置いて、本章ではネットワークプロトコルを使用してブロックヘッダーを要求、受信、検証していきます。

10.1　ネットワークメッセージ

すべてのネットワークメッセージは図10-1のようになります。

最初の4バイトは常に同じで、ネットワークマジックと呼ばれます。通信は非同期で、断続的になることもあるため、マジックバイトはネットワークプログラミングでは一般的です。マジックバイトはメッセージの受信者に、通信が中断された場合（たとえば、携帯電話（端末）が切れた場合など）の再開すべき場所の目印となります。また、ネットワークの識別にも役立ちます。たとえば、ビットコインのノードをLitecoinノードに接続したくはありません。それゆえ、Litecoinノードはビットコインとは異なるマジックバイトです。ビットコインテストネットのマジック ...