9章チームを構成する
プロダクト開発を成功させる上で、機能やプロダクトに必要な作業をするプロダクトチームの構成は重要です。企業はバリューストリーム、機能、技術コンポーネントのいずれかをもとにしてチームを構成するのが一般的です。
私がマーケットリーに加わったとき、技術コンポーネントを中心としてチームが構成されていました。「プロダクトのあらゆる領域にスクラムチームを配置して、全体をカバーするようにアジャイルコーチに言われたんだ」とCTOは言いました。理屈ではこれは理にかなっていますが、実際には不十分なプロダクトマネジメントが広がるだけでした。
プロダクトマネジメントスキルについてのワークショップで、しっかりとした土台の重要性を訴えていたところ、1人のプロダクトオーナーが割り込んできました。「本当に素晴らしいし、そうやって働ければよいですよね。でも、バックログをログインAPI関連で埋めなければいけないんで、そうできないんです。でなければ、開発者は何もすることがないんです」
「新しいAPIなんですか? それとも、すぐに修正が必要な大きい問題でもあるんですか?」 私はそう聞きましたが、APIはうまく動いていて大きな問題は何もありませんでした。「目標は何でしょう? APIが完成してほかのことに取りかかって大丈夫というのはいつわかるんでしょう?」
「ああ、そうじゃないんです。私の担当がこれなんです。私のチームの担当はこのAPIで、ほかのことはしないんです。私たちの機能で……。これをずっとやるんです」 彼女はそう言いました。
つまり、すでに最適化できていて機能しており、安定した状態にある技術コンポーネントに一生懸命取り組んでいたのです。企業の目標を達成する上で、これに取り組む必要はありませんでした。なのに、自分がその担当で、それに関する仕事ならできるという理由だけで、チームのための仕事を作っていたのです。 ...
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