12章良い戦略フレームワークを作る
マーケットリーに戻ると、プロダクトチームの立ち上げに大きな進展がありました。CEOがジェンという優秀な最高プロダクト責任者を採用していたのです。ジェンは開発者向けのeラーニングの会社から移ってきました。その会社はプラットフォームの拡大に成功し、IPOでイグジットを果たしていました。
私はジェンがチームに加わるのを楽しみにしていました。彼女は前の会社で戦略策定を主導していて、そこでの知識をすべて持ち込んでくれると思ったからです。最初の1週間で、彼女は私が目にしたのと同じ問題に気づき始めました。
「組織のプロダクトマネージャー全員に会って、なぜ今その仕事に取り組んでいるのかを聞いてみました。誰も答えられませんでした」 彼女はそう言いました。「目標もなく、方向性も決まっていません。顧客の要望に従って、受け身で作っているだけです」
ジェンは続けました。「それから、リーダーシップチームの人たちに、会社としてすべきいちばん重要なことは何なのかを聞いてみました。するとみんな違う答えでした。私たちの戦略がなんなのか、会社はどうなりたいのかが一致していないのは明らかでした」
彼女はたった1週間で核心をついたのです。マーケットリーは受け身のままでした。顧客の要望や契約にもとづいて大きなプロジェクトの優先順位を決めていました。プロダクトをどうやって成長させるかを戦略的に考えてはいなかったのです。
幸いなことに、マーケットリーのリーダーシップチームは、より強力な組織になるためにその指摘を受け入れました。「自分たちはマーケットをリードしたいんだ。他社に追随するような真似はしたくない」 CEOのクリスはそう言いました。彼は当初、問題は開発チームにあると考えていました。「開発チームはスピードが遅くて怠けている」 そう思っていたのです。 ...
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