6章実システムへの組み込み
4章と5章では、推薦アルゴリズムについて紹介してきました。それらの推薦アルゴリズムを実サービスへ組み込むためには、データベース、APIを含めた設計が必要になってきます。本章では、次の項目について、推薦システムを構築するために必要な考え方や設計のパターンを紹介します。
- バッチ推薦/リアルタイム推薦
- 推薦システムの設計パターン
- 多段階推薦や近似最近傍探索による工夫
- ログの設計
- ニュースサービスにおける実例
6.1 システム概要
6.1.1 バッチ推薦とリアルタイム推薦
機械学習モデルを推薦システムに組み込むには、モデルの学習、特徴量の抽出/更新、予測をどのような頻度やタイミングで行うかが重要です。
本章では、バッチ推薦とリアルタイム推薦の2つを以下のように定義します。
モデルの学習 | 特徴量の抽出/更新 | 予測 | |
---|---|---|---|
バッチ推薦 | バッチ | バッチ | バッチ |
リアルタイム推薦 | バッチ or リアルタイム | リアルタイム | リアルタイム |
バッチ推薦は、モデルの学習から予測までの処理を決められた時刻に一括で行うものを指します。一方で、リアルタイム推薦は、特徴量の抽出/更新をユーザーのクリックなどをトリガーとしてリアルタイムに随時行い、予測もユーザーのリクエスト時にリアルタイムに行う方式の推薦を指します。
フレッシュネスの要求レベル | 適する推薦方式 ... |
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