17章サイバーフィジカルで行こう†1
[†1] 訳注:原題「Let's Get Cyber-Physical」は、オリビア・ニュートン=ジョンの1981年のヒット曲「Physical」のサビのメロディへのオマージュであると考えられます。
現在、カオスエンジニアリング界隈では、インフラやアプリケーションの作成・デプロイ・そして管理に注目が集まっており、NetflixやAWS、そしてFacebookといったインターネットを中心に据えたさまざまなプロダクトやサービスを支えています。これらは革新的で、大規模で、複雑かつ相互につながったソフトウェア駆動型のシステムに支配された分野です。
これらのITやクラウドに占有されたエコシステムにおけるカオスエンジニアリングのゴールは、より信頼性が高く堅牢なシステムの実現を目指しながら、システムの振る舞いに関する疑問点を発見し解決することにあります。カオスエンジニアリングを複雑なシステムに適用することは、それまで目が届いていなかった箇所に関して学びを得ようとする試みになります。これはあたかも実際の実装におけるモデルをリバースエンジニアリングしているようなもので、実際の実装が当初想定していた設計からどれほどかけ離れたものになっているかを発見することになるかもしれません。
この章では、次の4つのトピックを見ていきます。
- 伝統的な機能安全のプラクティス
- 機能安全とカオスエンジニアリングが重なる箇所(例:故障モードの実践と影響分析)
- 現在開発されている新世代のソフトウェア集約型システムにおいて、機能安全のプラクティスが大きな改善の余地を残す部分
- このようなギャップを埋め、次の目覚ましい革新を目指しながら、エンジニアが技術的にできることを安全に増やしていけるよう、カオスエンジニアリングの原則が適用できる点 ...
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