12章採用するには
採用の観点から言うと、私が一緒に働いた中で最も優秀なエンジニアリングマネージャーは、2人の採用でその評価を確立しました。こんなやりとりがありました。
私「iOSチームを作る必要があります。ウチのエンジニアは優秀ですが、今のチームにiOSのトレーニングをする時間はありません。採用した方が早いでしょう」
彼女「いいですね、誰を雇いましょう?」
私「ここに理想的な人の履歴書があります。獲得することはできないでしょうが、この人は信じられないほど有名なiOSエンジニアで、生産性が高いだけでなく、教育面でもきわめて優秀なのです。入ってくれれば、チームにとって、この上ない起爆剤になるでしょう。こういうエンジニアが必要なんです」
彼女「なぜ雇わないのですか?」
私「雇うのは無理でしょう。いい条件で声をかける人が他にいっぱいいるんです」
3ヶ月後、まず無理だと思っていたその有望な人が、条件提示を受け入れました。その2ヶ月後にも同じことが起きました。まず無理だと思う人を話題にあげた直後に、その優れたエンジニアを採用できたのです。
何か仕掛けがあるとお考えでしょう。莫大な資金を投入したと思われるかもしれませんが、そうではありません。ごく一般的な報酬です。とてつもなく魅力的な役職を約束したと思われるかもしれませんが、それも違います。提示したのは、優秀なエンジニアたちと一緒に、iOSアプリケーションの最初のバージョンを作る仕事でした。
唯一やったことと言えば、毎日、採用活動のための時間を確保することだけです。
12.1 採用活動の第一のルール:50%の時間を使う
まず、ルールから説明します。チームで募集する職種一つにつき、1日1時間を採用に関連する活動に費やす必要があります。費やすのは自分の時間の50%が上限です。募集していない? それでも、定期的に行わなければならない重要な仕事があります。それについては後ほど説明します。 ...
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