23章実力主義は後追いの指標
マネージャーとして、直属の部下から「次のレベルに行くためには何をすればいいですか」と質問されたとき、どのくらいの品質と完成度でその質問に答えられるかによって、あなたのリーダーとしての価値が決まります。
まずは、最悪の答えから始めましょう。「私たちは実力主義を採用しているので、いいアイデアを出せるか次第だ」
これはとんでもない言い訳です。まず、実力主義であることは哲学であり、戦略ではありません。仕事上の成長について聞かれたときに実力主義という言葉を使うことは、「勝ったら金メダルを渡すので、君が金メダルを取るようになったら、勝っていることがわかるようになる」と言っているようなものです。
実力主義は(もし実現できたとしても)、後追いの指標でしかないでしょう。つまり、これまでに、あなたがリーダーを勤めるチームが、人の評価が能力によって決まる文化を作ることに成功したということです。努力に値する壮大な夢のように聞こえますが、キャリアアップのアドバイスとしては不十分です。
もっといい答えがあります。
23.1 2つのキャリアパス
あなたの組織には、キャリアパスが2つあります†1。一つは一般社員の成長を示すもので、もう一つがマネージャーの成長を示すものです。この2つのキャリアパスは、その仕事をしているメンバーが書いた公式なドキュメントです。つまり、エンジニアはエンジニアのためのキャリアパスを書き、マーケティングはマーケティングのスペシャリストのためのキャリアパスを書く、といった具合です。
[†1] ここで「ラダー(はしご)」という言葉を使いたがる人もいますが、私は「パス(道)」という言葉が好きです。はしごは、上に向かって登らなければなりませんが、パスは旅です。 ...
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