25章コバヤシマルのマネジメント
テッドはかなりご機嫌です。会議室で私の向かい側に座り、こう切り出しました。「プログラムの立ち上げは順調です。約1ヶ月間、詳細を詰めてきました。影響を受けるすべてのチームでコンセプトを吟味し、調整したので、もう問題ありません。あとは、会社全体に告知するだけです」
「よくやった、テッド」 私は賞賛します。「膨大な量の仕事だったね」
「ありがとうございます」
「でも、まだ全然終わりじゃないよ」
「どういうことですか?」
25.1 性格テスト
23世紀のスタートレックの世界では、宇宙艦隊の士官候補生のためのテストが存在します。メモリーアルファ†1にはこうあります。
[†1] 訳注:スタートレックの世界に関連する情報を集めたWiki。
試験内容は、主に宇宙船の指揮を任されるというものです。この船は間もなく、クリンゴン中立地帯内で深刻な故障を起こした民間貨物船「コバヤシマル」からの遭難信号を受信します。救助可能な距離にいる唯一の船を指揮する士官候補生は、通常、救助活動から撤退するか、不可侵条約の危険を冒して中立地帯に入り、船を救助するかのどちらかを選択します。その後、船はクリンゴンの巡洋艦と対峙し、銃撃戦を展開することになります。
オチは? このシナリオでは、勝つことが事実上不可能です。士官候補生は、コバヤシマルを救うこと、戦闘を避けること、そして中立地帯を無傷で脱出することを同時に行うことはできません。テストされているのは、性格と決断力です。
マネージャーの大切な仕事の一つは、通常以上に複雑で予想外、そして一見勝ち目のないシナリオで適切に行動する能力にあります。でも、もっといいものを知っていますか? そもそも、そのような状況に陥らないことです。 ...
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