13章コントロールを手放す
波は止められないが、波に乗ることは学べる。
――ジョン・カバット・ジン
週末になりました。正確には土曜日の朝です。ゆっくりリラックスして、ストレスを発散するときです。少なくとも、そのための週末です。睡眠も足りていません。今すぐコーヒーが必要です。
金曜日の夕食のとき、夜空を眺めながら月曜日の締め切りを心配していました。結局、作業中の開発チケットを全部チェックして、最新のコメントも全部読む羽目になりました。ベンに進捗を知らせるように頼んだのに、なぜ返事してくれないんだろう? 私と同じようなプレッシャーは感じていないんだろうか?
金曜日の夜更けにベッドにもぐりこんだとき、持っていたのは本ではなく、スマートフォンでした。メールが来ていないかを確認するため、何度も更新を繰り返しましたが、チームの誰も、その夜はメールを送って来ませんでした。でも、じっとしてはいられませんでした。全部大丈夫かどうか知る必要があったのです。かゆいのに、かゆいところにはいつも手が届きません。
重要なのは休むことなのに、眠れなくなってしまいました。締め切りに全部間に合うだろうか? この仕事を納期に間に合わせることの重要性をみんな認識しているだろうか? 不安な夜のなか眠りにつきました。夢のなかでコードに追われていました。コンパイル中の無限に続くエラー。人食いバグチケットに追いかけられて学校の廊下を走っていると、ロッカーのドアが開いて、カレンダーのページがたくさん顔めがけて飛び出して来ました。
朝になりました。先週のことが頭から離れません。必要な会話は全部しただろうか? 何が必要なのかを明確に伝えただろうか? もっとうまくコミュニケーションできたことがあったのでは? チームメンバーにたくさんメールを送っておけば、月曜日の朝にメールボックスがいっぱいでいちばんに気がつくかも。 ...
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