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競合調査

君は正しかった。俺は道を間違えたよ。

俺たちは谷底にいた。と言ってもごく浅いものさ。

今はずっとずっと深い底だ。上がどこかさえわからない。

──ソニック・ユース*1

 生きている実際のユーザーから強い確かな手応えが得られたら、「なぜまだこのソリューションが作られていないのか」を考える必要がある。顧客発見プロセスを終えた段階のビタとエナに即して言えば、「今この問題を解決しているのは誰か、どのようにして解決しているのか」である。あらゆることがやりつくされているとまでは言わなくても、ほとんどすべてのことは試みられている。何しろインターネットで流通、消費されるプロダクトは、もう25年以上もデザインされ続けてきたのだ。競争優位を確保し、ビジネスモデルを確立するためには、実際に成功したものと失敗したものの知識が欠かせない。そこで、この章と次章では、「基本要素1:ビジネス戦略」([図4–1]参照)を深く掘り下げ、競合の評価と戦略的意思決定のための枠組みを作れるようにする。

4.1 | 教訓の手痛い学び方

 しっかりとした競合調査は、たまねぎの皮を剥いていくようなものである。剥けば剥くほどわかることが増える。自分のプロダクトビジョンに独自性がないことがわかって、泣く羽目になるかもしれない。しかし、ライバルを倒すために何が必要かは、少しでも早くわかった方がよいのではないだろうか。自分が知らないことが何かを知らないままでいれば、手痛い形でそれを学ばされるリスクにさらされる。 ...

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