12章さらなる旅路

本書では、WebGL 2を使用してインタラクティブな3Dウェブアプリケーションを構築する際に必要となる概念やテクニック、そのためのリソースについて、基本的なところを説明しました。これで皆さんはコンピューターグラフィックスのエキスパートへの道を歩み始めたことになります。最後の章はそんな皆さんのこれからの旅路を助けるためにあります。

この最後の章では、以下の内容を扱います。

  • さまざまな規模と機能を持つWebGLライブラリ
  • WebGLアプリケーションのテスト戦略
  • 3D再構築
  • 物理ベースレンダリング
  • さまざまなグラフィックスコミュニティ

12.1 WebGLライブラリ

さまざまなWebGLライブラリの紹介を始める前に、まずソフトウェアライブラリとは何を指すのかを定義する必要があります。ライブラリフレームワークは混同されがちですが、コンピューターサイエンスではこれらは明確に異なる概念を表します。ソフトウェアライブラリは外部利用のために明確に定義されたコードや設定ファイル、ドキュメント、クラス、スクリプトなどで構成されるもので、開発者は自身のプロダクトにそれらを含めることでプロダクトの機能を拡張できます。例えば、さまざまな数学的操作を必要とするプログラムを開発しているなら、glMatrixのようなソフトウェアライブラリを利用することで、開発者は数学的操作を自分で実装する手間が省けます。

気づいたかもしれませんが、これまで本書の3Dアプリケーションのために開発してきたクラスやユーティリティ関数、全体的なアーキテクチャは、最終的にライブラリとして使用できるように構築してきたつもりです。各概念を独立して学べるようにという理由に加え、最終的に他のアプリケーションでも利用できる十分な機能を持ったWebGLライブラリを皆さんに残せるようにという意図もありました。 ...

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