6章ユーザーに話しかける(あるいは「ポーカーって何?」)

ところで、いつもとまったく違うポーカーに参加しているところを想像してください。オンラインゲームのスタートアップで働いているとして、ポーカーのプレイヤーたちに、ゲームの基本的なニーズや行動について深く知るためゲームに同席させてもらえないかと聞きました。ひととおり自己紹介が終わると、ホストは「あなたがどれくらいポーカーになじみがあるか知らないのですが、ルールをひととおり教えましょうか?」と親切に尋ねてきました。

気づかないかもしれませんが、この瞬間、ユーザーへのインサイトを飛躍的に深めるために隙を見せることもできますし、完全に閉ざすこともできます。

あなたは一瞬考え込みます。この人たちに信頼してほしいし、もしポーカーも知らない田舎者だと思われたら、特別おもしろいことや学びのあることを前のめりに見せてくれるでしょうか。そう考えて、いかにもよく知っている雰囲気で「あー、ポーカーは大好きなんですよね! テキサスホールデムですか? それともオマハ?」と言います。「ホールデム!」とうれしそうな返事が来て、ゲームが始まります。ふー。信じてくれた。昨晩ウィキペディアに使った時間が報われました。最初のゲームが始まると、さっそく本題に入ります。「今日はゲームにご招待いただきありがとうございます。ご存じのように、オンラインカードゲームのリサーチのために今日は来ました。みなさんの理想のオンラインポーカーアプリはどんなものでしょうか?」。

テーブルについている人たちは回答に詰まります。その質問にワクワクしている人はいなさそうです。一瞬の静けさのあと、隣にいる人が気を使って「ポーカーアプリならインストールしたことがあります。確か、自分の携帯に。何年か前かな。ですが、あんまりはまりませんでした」。 ...

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