ゲームデザインバイブル 第2版 ―おもしろさを飛躍的に向上させる113の「レンズ」

こんにちは

これから芸術の話をしよう。他に話すべきことはない。

人生とは不確かなものだ。芸術が教えてくれる。

——Maxwell H. Brock†1

[†1] ロジャー・コーマンによる名作映画『血のバケツ』（1959年）の登場人物です。

こんにちは！ どうぞお入りください。本当に来てくれるなんて、嬉しいです。書き物に夢中で、かなり散らかっていてすみません。自由にくつろいでください。どうぞどうぞ。さて、何から始めましょうか。そうでした、自己紹介がまだでしたね。

わたしの名前はJesse Schell（ジェシー・シェル）です。ゲームデザインが大好きです。わたしの顔はこんな感じです。

昔は背の低い子供でした。この写真の頃から現在に至るまで、わたしはさまざまな仕事を経験してきました。サーカスでプロの曲芸師だったこともあります。作家、コメディアン、手品師の見習いだったこともあります。ソフトウェアエンジニアとして、IBMやベル・コミュニケーションズ・リサーチ社で勤務していたこともあります。ウォルト・ディズニー・カンパニー向けに、テーマパーク用インタラクティブアトラクションとMMOのゲームデザインおよび開発に携わりました。自分のゲームスタジオを立ち上げ、カーネギーメロン大学の教授にもなりました。でも、人に職業を聞かれたら、わたしはゲームデザイナーだと答えています。

長々と経歴を載せたのは、これらの経験からの例が、本書でたびたび登場するからです。すべての経験が、ゲームデザインにとって貴重な教訓をくれました。意外に思われるかもしれませんが、本書を読めば、あなたが人生で経験してきたことも、ゲームデザインに生かせるとわかるでしょう。 ...