29章あなたのゲームにはおそらくクライアントが存在する
形態は機能に従う。
——ルイス・サリヴァン(建築家)
形態は楽しさに従う。
——Susannah Rosenthal(玩具デザイナー)
形態は予算に従う。
——ブラン・フェレン(現実主義者)
29.1 クライアントの考えを気にするべきか?
夢の世界では、ゲームデザイナーが喜ばせる必要があるのは2種類のグループだけです。開発チームとプレイヤーです。
しかし、残念ながらこの世は夢の世界ではありません。ほとんどの場合、クライアントのことも考えなければいけません。
クライアントは、ゲームのパブリッシャーや、人気フランチャイズの権利を持つメディア企業、エンターテインメントの実績はないけれども何らかの理由でゲームを作ることになった企業などが該当します。規模も形態もさまざまです。
なぜクライアントの意見を気にしなければいけないのでしょう? あなたが純粋な趣味としてゲームを作っている場合や、豊富な財産を持つ富裕層でもない限り、ゲームを作る予算をクライアントから提供してもらうことが多いからです。クライアントがプロジェクトの内容を気に入らなければ、文字どおりゲームオーバーです。
ゲームデザイナーであるあなたのことを、クライアントはどう考えているのでしょうか? ゲームの専門家だと思ってくれていると、あなたは期待するかもしれません。そもそも、クライアントは自分ではゲームを作れないから、あなたのところに来たのですよね? ですから、最高のゲームの作り方について、あなたの意見を尊重してくれるだろうと期待してしまうかもしれません。 ...
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