はじめに
マイクロサービスは、独立して変更、デプロイ、リリース可能な粒度の細かいサービスの利用を促進する、分散システムへのアプローチです。自律的なチームがユーザ向けの機能を提供する、より疎結合のシステムに向かっている組織では、マイクロサービスは非常に有効です。さらに、マイクロサービスでは、システムを構築する選択肢が膨大にあります。ユーザのニーズを満たすようにシステムを変更できる柔軟性があります。
ただし、マイクロサービスに重大な欠点がないわけではありません。分散システムであるマイクロサービスは、多くの複雑さをもたらします。その多くは、経験豊富な開発者にとってさえも初めての経験かもしれません。
世界中の人々の経験と新しい技術の出現は、マイクロサービスの使われ方に大きな影響を及ぼしています。本書はこうした考え方と実世界の具体例を集め、マイクロサービスが自分に適しているかどうかを判断する手助けをします。
本書の対象読者
マイクロサービスアーキテクチャの範囲は広いので、本書の対象範囲も広くなっています。本書は、システム設計、開発、デプロイ、テスト、メンテナンスに関心がある人の興味を引くでしょう。より粒度の細かいアーキテクチャへの旅にすでに乗り出している人は、それが新規アプリケーションであっても、モノリシックな(一枚岩の)既存アプリケーションの分解の一環であっても、役立つ実践的なアドバイスを数多く発見できるでしょう。また、何を大騒ぎしているのかを知りたい人にとっても有用であり、マイクロサービスが自分に適しているかどうかを判断できます。
執筆した理由
本書を執筆した理由として、第1版の情報を最新かつ正確で、有用なものにしたかったことが挙げられます。第1版を執筆したのは、非常に興味深いアイデアがあり、それを共有したいと考えたからでした。幸運にも、執筆する時間とサポートがあり、大手テクノロジーベンダに所属しておらず、先入観のない公平な視点から執筆することができました。私はソリューションを販売していませんでしたし、マイクロサービスを「売り込みたい」とも考えていませんでした。私はただそのアイデアに魅力を感じ、マイクロサービスの概念をひも解いて、より広く共有する方法を見つけることが好きだったのです。 ...
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