1章データ駆動型への旅

COVID-19以前の世界も、すでにデータ駆動型で進化を遂げていましたが、パンデミックはその変化のスピードをさらに加速させています。激しい競争、デジタルファーストの時代、高まり続ける顧客の期待、規制当局による監視の強化などが、組織に対し、自らを最先端のデータ駆動型企業に変革することを要求しています。これからの組織は、データを息をするかのように吸収し、データをビジネスの中心に据えるという考え方を採用することになります。データをプロダクトとして管理し、データ分析に基づいて戦略的に意思決定を行い、データに基づいて行動するカルチャーを持つようになることでしょう。

データ駆動は、単なるバズワードではありません†1。データ駆動により、ほかの組織に対して競争上有利な立場に立つことができます。データを積極的に活用することで、何が起こるかを事前に予測し、先手を打つことができます。データを正しく使えば、変化に素早く対応できるようになります。データを活用することで、意思決定が直感ではなく事実に基づいて行われるため、より確実性の高いものになります。データがあれば、業界の新しいトレンドやビジネスチャンスをいち早く見つけることができます。顧客が何を考え、どのように行動し、何を求めているかをデータが教えてくれるため、顧客満足度も向上します。データを活用することで、組織をより柔軟で機動的な、コスト効率の高いものに変えます。これは、データが、実績や、従業員のモチベーション、信頼関係、アプリケーション、プロセスに関するインサイト(洞察)を提供してくれるからです。組織がデータ駆動型企業に生まれ変わることは必要不可欠なのです。

[†1] データ分析市場は急成長しています。IDC社の調査によると、2022年の市場規模は年間2,000億ドルを超えています。 ...

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