4章データプロダクト管理
データプロダクトとはいったい何だろうと、疑問をお持ちかもしれません。単なるバズワードでしょうか。この章では、データプロダクトとは何なのかについて、分かりやすく説明します。大量のデータをほかのドメインに提供する際に必要不可欠な情報をすべて取り上げます。まず、この用語の曖昧さをなくすことから始めます。なぜなら、専門家によってさまざまな解釈や定義があるからです。次に、CQRS(Command Query Responsibility Segregation、コマンドクエリ責任分離)のパターンと、なぜそれがデータプロダクトアーキテクチャの設計に影響を及ぼすのかを考察します。データプロダクトのさまざまな設計原則について説明し、良く設計され、統合可能で、読み出し最適化されたデータモデルがコンシューマにとって重要である理由を学びます。その後、データプロダクトアーキテクチャについて見ていきます。データプロダクトアーキテクチャとは何か、どのように設計できるのか、一般的にどのような機能が必要なのか、そしてメタデータの役割などについてです。この章では、実例を使ってできるだけ具体的に説明します。この章が終わる頃には、データプロダクトアーキテクチャを活用することで、大量のデータをデータコンシューマが利用可能にする方法について、十分理解できるようになっていることでしょう。
4.1 データプロダクトとは何か
データ提供者に責任を負わせ、データ提供方法を非中央集権化することは、スケーラビリティを実現する上で非常に良い方法です。Dehghani氏は「data as a product(プロダクトとしてのデータ)」(https://oreil.ly/IsjlH)という言葉を使い、「データプロダクト」という概念を紹介しています。しかし、この2つには大きな違いがあります。 ...
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