1章イーサネットの発展

イーサネットは、小規模なものから非常に大規模なものまで、シンプルなものから最も複雑なものまで、ネットワークの構築に利用される。家庭内のコンピュータや家電製品を接続するだけでなく、サーバや有線接続のPCを収容するビル内ネットワーク同士を相互に結び付け、スマートフォン、ノートパソコン、タブレットなどの無線アクセスポイントを接続するときに用いられる。イーサネットは世界規模のインターネットを形成すると共に、職場や家庭をインターネットに結び付ける。

イーサネットは驚くほど息が長い。その後イーサネットへと発展していったネットワーク技術を説明するメモは、1973年5月に書かれた。コンピュータが長年にわたって変化を遂げてきたのに合わせて多くの変更が施されたが、それでも、イーサネットは常にネットワーク技術として選び続けられてきた。それというのも、イーサネットはコンピュータ業界のめまぐるしい変化と歩調を合わせるために最新の機能を加えていくなど、絶え間なく革新を続けてきており、そして、その過程を通じて、世界で最も広く使用されているネットワーク技術になっていったからである。

1.1 イーサネットの歴史

1973年5月22日、カリフォルニア州のXeroxパロアルト研究所(Xerox Palo Alto Research Center:PARC)にその頃勤務していたBob Metcalfeは、Xerox Altoと呼ばれる最新鋭のワークステーションを相互接続するネットワークシステムを示した1枚のメモを作成した。Altoと高速レーザプリンタの間でデータの送受信を可能にするためである。Xerox Altoは、グラフィカルユーザインタフェースとマウスポインティングデバイスを装備した最初のパーソナルワークステーションコンピュータだった。PARCはこの他にも、最初のパーソナルコンピュータ用レーザプリンタや、イーサネットを用いてあらゆる機器を結び付ける高速なローカルエリアネットワーク(LAN)技術なども発明している。 ...

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