12章40ギガビットイーサネット
10 Gb/sよりも高速な新しいイーサネットシステムの開発は、2006年7月に開催されたHigh Speed Study GroupのCall for Interestミーティングから始まる†1。この会議に呼応し、100 Gb/sイーサネットシステムを付録802.3baとして開発するためにIEEEタスクフォースが組織された。その後、この取り組みは40 Gb/sイーサネットも含むように拡大された。その結果、40 Gb/sと100 Gb/sを合併させた付録802.3baができあがり、これは2010年に公開された。40 Gb/sおよび100 Gb/sの仕様は、標準規格書の第80〜89条に採用された。
[†1] 訳注:IEEEの標準化プロセスは最初に、標準化を望む、あるいは興味がある人を募集する「Call for Interest」に始まる。続いて、プロジェクトの有効性を議論する「Study Group」が構成され、ここで承認されると「Task Group」(TG)で本格的な規格作成が開始される。Higher Speed Study Group(HSSG)は意訳すれば、「次世代の高速イーサネットに関する検討会」となる(小牧,小林:「電子情報通信学会における標準化活動の現状と課題」,信学論B,Vol.J89-B,No.2,pp.55-67(2006)より)。
新規のイーサネットメディアシステムの速度を、以前の標準規格の10倍単位にしないというのは異例なことだ。40 Gb/sが100 Gb/s標準化プロジェクトに加えられたのは、イーサネット技術の普及率に対する懸念があったからだ。標準化プロセスも初めの頃、40 Gb/sを追加するよう802.3baタスクフォースに働きかけるプレゼンテーションが行われた。10倍単位で発展させていくというやり方は、これまでの10 ...
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