15章構造化ケーブリング
イーサネットシステムが用いているケーブルの品質よりもよくなることなどない、というのはネットワーキングにおける根本的な原理である。イーサネットスイッチが1台だけあり、そこに少数のデバイスしか接続されていないホームネットワークの類の小規模なシステムでは、質の高いケーブリングは簡単である。デバイスを高品質なパッチコードでスイッチのポートに接続しさえすれば、ネットワークはそれでもうできあがりだ。しかし、大半のネットワークは少数のデバイスだけで構成されているわけではない。どちらかといえば、オフィスビルのすべての部屋を縦横無尽に接続しているネットワークシステムというのが実際のところである。ビル全体に高品位なケーブリングシステムを提供するというのは、かなり難しい課題である。構造化ケーブリングシステムなら、これが容易になる。
構造化ケーブリングシステムでは、ケーブリングを階層的に構成する。幹線ケーブル(backbone cable)は構内の各部屋に位置する配線室をつなぐ通信に用いられ、水平ケーブル(horizontal cable)は配線室からネットワークデバイスの通信データを搬送する。このシステムは拡張するのも再構成するのも容易であるので、モノを移動したり追加したり変更したりするのも、管理しやすくなる。
構造化ケーブリングシステムはポイントツーポイントケーブルセグメントと構造化ケーブリング規格に示されている仕様に基づいており、そのインストール方法はガイドラインで詳細に定められている。これにより、信頼性が高く管理しやすいケーブリングシステムを構築できる。業界規格と高品質なコンポーネントに基づいた構造化ケーブリングシステムを用いれば、ネットワークをベストな状態で運用でき、昼夜を問わず、ユーザに安定したネットワークサービスを提供できる。 ...
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