まえがき
機械学習やディープラーニングという言葉は、今やニュースなどでも聞くような一般的な言葉になりました。より世の中を広く見渡してみると、「ディープラーニングをビジネスに活かす」といった本もよく見るようになりました。スマートスピーカーなど機械学習を用いた製品やサービスが当たり前になり、Googleが推し進める機械学習の民主化や各種AIベンダーの広がりといった背景があるでしょう。また、機械学習に関わる研究者や開発者にとっては、多くのデータが手に入り、それを処理するハードウェアの進化も進み、更にはオープンソースで最新のアルゴリズムを利用できる、便利なフレームワークやライブラリが広く普及したことも強く影響しているでしょう。
こうした機械学習に対する期待の高まりとともに、私たちのところへ「機械学習について教えてください」と聞きにくる人が増えてきました。幸いにも、多くの研究者によってアルゴリズムや理論に関するすばらしい本が書かれており、機械学習フレームワークの使い方や実装方法についての書籍や雑誌記事も多く世に広まるようになりました。また、ビジネス視点での機械学習の活用事例を集めた書籍も増えました。これにより、機械学習を知らなかったソフトウェアエンジニアでも、機械学習に取り組むハードルは以前に比べ劇的に低くなっているといえるでしょう。
最近では、情報系の学生は大学の講義や研究で機械学習の理論を学んだり研究対象としており、そうした学生が卒業しソフトウェアエンジニアとして働くことも増えてきました。彼らは理論的なバックグラウンドを活かしながら、機械学習エンジニアなどと呼ばれ研究開発を推し進めています。
しかし、Courseraなどのオンラインコースや書籍・大学の研究だけでは、機械学習の基礎や理論的背景を学ぶことはできても、実際のビジネスにどのように活かせば良いのか、ビジネスにおける機械学習やデータ分析を活かすにはどうしたら良いのかはまだまだ自明ではありません。問題設計をどのようにすれば、システムはどのように設計すれば良いのかを座学で学ぶことはなかなか難しいと言わざるを得ません。 ...
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