21章ゴールポストを抜ける

片方だけが誤っているのであれば、戦いは続かない。

――フランソワ・ド・ラ・ロシュフコー

20世紀半ばの哲学者でもあり、しゃれた格好の髪型をしたビートルズ(The Beatles)は、「愛こそはすべて(all you need is love)」と伝えました。彼らはその点を強調したのです。必要なものは愛なのです。愛、文字通りそれがすべてです。

ソフトウェア組織内のメンバーと一緒に働く関係では、愛という感情以上のものが得られます。少し多めの愛が優れたコードを生み出します。実世界でのプログラミングはメンバー間の努力であり、その結果、プログラミングは人間関係の問題、政治、および開発プロセスからの軋轢に必然的に関連します。

私達は多くの人達と密接に働いています。時には、ストレスを感じます。

円滑な協業が行われていないチームは、人間関係とソフトウェアの品質の両面において健全ではありません。しかし、多くのチームがそのような問題に直面しています。

開発者にとって、他者との不安定な関係の一つは、QA部門との関係です。なぜなら、開発プロセスにおいて最もストレスを感じる時期にQA部門とやり取りするからです。納期前にソフトウェアを出荷するために急いでいる状況では、開発者はソフトウェアというサッカーボールを、テスターというゴールキーパーの横をすり抜けさせようとします。

この章では、開発者とQAの関係を見ていきます。その関係がなぜ不安定なのかと、不安定であるべきでない理由を見ていきます。

QAは何に有効なのか

QAが行っていることを分かっている人達がいます。他の人達にとって、QAはミステリーです。「QA」部門(すなわち、Quality Assurance)は、十分な品質を持つソフトウェア製品の出荷を保証するために存在しています。QA部門は必要であり、開発プロセスの重要な部分です。 ...

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