22章凍結されたコードの数奇な人生
[†1] 訳注:八木敏雄 訳『白鯨』より。
マネージャ達は、計画会議でコード凍結を言明します。開発者達は、恐れながら「コード凍結」とつぶやきます。プロセスの儀式はコード凍結を中心に構築されます。そして、私は吐き気をもよおします。
これは、『白鯨』の船乗りからの叫びに聞こえます。「潮吹きだ!」ではなく、「コード凍結だ!」と。それは、おそらくフィクションにすぎません。
この章では、コードの不思議な状態を探求していきます。
コード凍結を探求する
コード凍結(code freeze)は、おそらく善意を持って広まった言葉です。しかし、たいてい、その言葉通りの意味で使われることはありません。
コード凍結は、それ以上作業が行われない「ある完了時点」とリリース日との間の期間を表します。
これらの二つの時点は、正確にはいつなのでしょうか。その間には、何が起きるのでしょうか。
リリース日(release date)を定義するのは簡単です。時には、「製造へのリリース」つまり、RTM(release to manufacture)とも呼ばれます。インストーラディスクのゴールドマスターが作成されて、複製のために送付された時点を指します。進歩した21世紀では、物理的なメディアを出荷しないかもしれませんが、それでもなおリリーススケジュールといった習慣に従っています。リリース日を決めることは適切に役立っているのでしょうか。「はい」の場合もあれば、「いいえ」の場合もあります。配布スケジュールに対しては、明確な区切りとしての役割を果たしているのは確かです。 ...
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