3章組合せのあるテスト: 要素に分解して考える
一般にウェブサイトは、写真やテキスト、ボタンなどの複数の要素の組合せによって成り立っています。したがって、ひとつの要素を変更したデザイン案だけではなく、同時に複数の要素を変更したデザイン案についてテストをしたい場合もあるでしょう。このような場合はどのようにして実験を設計し、データ分析すればいいのでしょうか?ここでは、複数の要素の組合せからなるウェブサイトのA/Bテストについて考えます。
3.1 チャーリーのレポート
株式会社Xでは、このたび新しいカメラを販売することになりました。ウェブマーケターのチャーリーはこのデバイスのためのランディングページ1を作ってプロモーションしましたが、いまいち売れ行きがよくありません。そこでチャーリーは、このランディングページの顔となるヒーロー画像2と、ユーザにクリックしてもらうCTAボタン3の文言を見直すことにしました。
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あるウェブサイトに含まれるウェブページのうち、ユーザが初めて訪れる(着地する, landing)するウェブページをランディングページと呼びます。商品を売り込む際の第一印象に関わるため、ユーザにメッセージを伝える大事なページとされることが多いです。
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ウェブデザインの文脈では、ユーザが最初に目にする大きな画像のことをヒーロー画像(hero image)と呼ぶことがあります。
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CTAとはcall-to-actionの略で、ユーザに取ってほしい行動を表すものです。たとえば、商品の購入ボタンや資料請求のボタンなどが考えられます。
ヒーロー画像は、商品であるカメラを中心に映したものと、このカメラで撮影した写真のサンプルを紹介したものの2種類を試すことにしました。一方CTAボタンには、今すぐ商品を購入することを訴求する「今すぐ購入」と、ひとまず商品のことをよく知ってもらう「詳しく見る」の2種類を用意しました。したがって、 ...
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