はじめに
『動かして学ぶAI・機械学習の基礎』へようこそ。筆者は何年もの間、本書を書かなければと思っていましたが、最近の機械学習、特にTensorFlowの進歩によってようやく実現できました。本書の目的は、機械学習で対処できる多くのシナリオにコーダーとして備えることであり、博士号を必要とせずに機械学習とAIの開発者になることです。本書が読者の役に立ち、この素晴らしくやりがいのある旅を自信を持って始められるよう願っています。
想定される読者
AIや機械学習に興味があり、データから学習するモデルの構築と実行に素早く取りかかりたいと考えているなら、本書はお勧めです。コンピュータビジョン、自然言語処理、シーケンスモデリングなど、一般的なAIや機械学習の概念に興味を持ち、これらの領域で問題を解決するためにニューラルネットワークをどのように学習するかを確認したいなら、本書を楽しむことができるでしょう。また、学習したモデルをモバイル、ブラウザ、またはクラウド経由でユーザに届けたい場合にも、本書は最適です。
何よりも、難解であることを理由にコンピュータサイエンスにおける重要分野の学びを躊躇しているのなら、特に古い微積分の教科書を引っ張り出さなければならないと信じているのなら、恐れることはありません。PythonとTensorFlowを使えば、機械学習と人工知能の世界に飛び込むのがいかに簡単であるかを、本書はコードファーストのアプローチで紹介します。
執筆に至る経緯
初めて筆者が真剣に人工知能に取り組んだのは、1992年の春のことでした。物理学科を卒業した後、ひどい不況のさなかにあるロンドンで6ヶ月もの間失業状態でした。イギリス政府がAI技術者を20名ほど養成するプログラムを開始し、応募者を募集していました。筆者はその第一号に選ばれたのです。そして3ヶ月後、プログラムは惨めに失敗しました。というのも、AIには ...
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