2章画像の中にあるもの: Kerasを使った画像の分類
ディープラーニングに関する資料を読むと、学術的な説明と威圧するような数式の数々に遭遇することばかりです。しかし本書では、気軽に実践的なディープラーニングを試してもらうことを目的としています。数行のコードを記述するだけで、画像を分類してみましょう。
この章では、まずKerasフレームワークを詳しく紹介し、ディープラーニングの世界での位置づけを明らかにします。そしてKerasによる最先端の分類器を使って、実際に画像を分類します。また、ヒートマップを通じて分類器のはたらきを視覚的に表現してみます。ヒートマップを使い、動画でのオブジェクトの認識も試みます。
「1.5 ディープラーニングのソリューションを支える要素」では、ディープラーニングの構成要素としてハードウェア、データセット、フレームワークそしてモデルの4つを紹介しました。この章でのそれぞれの役割は以下の通りです。
- ハードウェアについては、難しい点はありません。この章に関する限り、安価なラップトップでも十分です。http://PracticalDeepLearning.aiで紹介しているGitHub上のノートブックを、Colab上で実行するということも可能です。この場合には数回のクリックだけで作業が完了します。
- まだニューラルネットワークの訓練は行わないので、データセットは必要ありません。テスト用の画像は数枚必要です。
- この章のタイトルが示すように、フレームワークとしてはKerasを利用します。他の多くの章でもKerasが使われます。
- ディープラーニングを使って課題に取り組む際には、まずデータセットを用意し、これを使って訓練するためのコードを記述します。そして多くの時間とエネルギー(人的にも、電気的にも)を費やしてモデルを訓練し、最後に予測を行うという手順が一般的です。しかし我々は、好んで苦労したいというわけではありません。そこで、事前に ...
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