15章Makerになろう:エッジデバイスでの組み込みAI
Sam Sterckval
我々は優れたAIアプリケーションを作れるようになりましたが、これで終わりではありません。コンピューター上でAIのソフトウェアを実行するだけでなく、物理的世界にAIを持ち込んでみましょう。デバイスをよりインタラクティブなものにしたり、生活を楽にしたり、より人間的な日常を送れるようにしたりできるでしょう。もちろん、単に楽しみのためでもかまいません。例えば、目が合うと笑ってくれる絵画や、知らない人が配達物を持ち去ろうとするとアラームが鳴る防犯カメラ、ごみを分別するロボットアーム、森林での密猟を防ぐデバイス、自律的に広範囲を探索して遭難者を発見するドローン、自動運転車いすなどさまざまな適用例が考えられます。このようなスマートな電子デバイスはどうすれば実現でき、その能力やコストはどの程度なのかといった問いにこれから答えていきます。
Makerとは、DIY精神を持って新しいものを生み出す創造的な人々という意味です。初めは単なる趣味でもかまいません。問題解決に楽しみを見いだし、やがてはロボット技術者やイノベーターあるいは起業家になる人もいます。
読者の能力を刺激し、やりたいことに適したデバイスを選び(非力なCPUで複雑なGANを実行したり、Not Hotdog程度の分類器に無数のコアを持つGPUを買ってきたりしないようになります)、可能な限り手早く実際に試してみるというのがこの章での目標です。現在広く出回っているデバイスをいくつか紹介し、モデルを実行し推論を行う手順を明らかにします。また、世界中のMakerたちがロボティクスとAIを組み合わせた実例についても触れることにします。
まずは、組み込みAIデバイスをめぐる業界の現状について見てみましょう。 ...
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