16章Kerasを使ったエンドツーエンドのディープラーニングと、自動運転車のシミュレーション
Aditya Sharma、Mitchell Spryn
バットモービルやナイトライダー、robotaxiや自動ピザ配達など、自動運転車はポップカルチャーと主流のメディアの両方にとってイマジネーションをかき立てられる存在です。かき立てて当然とも言えるでしょう。SFの世界にしかなかったものが現実の世界にも現れるということは、そうそうあるものではありません。しかも、自動運転車は今日の都市社会が持つさまざまな課題(交通事故、大気汚染、渋滞とこれに伴う生産性の低下など)を解決してくれる可能性を持っています。
しかし、完全な自動運転システムの作成は難しいと言わざるを得ません。本書の1章分で説明し尽くすことは、到底不可能です。一方で、複雑な問題の多くには階層的に分解して取り組めるという性質があります。そこで本書では、「ステアリングを切る」という基本的な問題に挑戦することにします。好都合なことに、実際の自動車は必要ありません。シミュレータを使うと、リアルな物理法則やグラフィックの下でニューラルネットワークを訓練して車を運転させることができます。
まずは、歴史的背景について学ぶことにしましょう。
SAEによる自動運転レベルの定義
「自動運転」という言葉はとても幅広い意味を持っています。例えばChrysler 200に搭載されていたACC(Adaptive Cruise Control)のような定速走行や車間距離制御のしくみを指すこともあれば、ステアリングホイールのない未来の車を意味することもあります。この自動運転という言葉にきちんとした定義を与えるために、SAE(Society of ...
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