5章アクションから帰結まで:単純化の方法
私たちが期待する帰結を生み出すかどうかわからない意思決定によってビジネス目標の達成に近づこうとすることについては、すでに何度も言及している。しかし、私たちは何を期待すべきかをどのようにして知るのだろうか。そして、それらのアクションには時間を割いて試してみる価値があるということをどのようにして判断するのだろうか。この章では、分析スキルの中でも特に重要なものについて学ぶ。それは、世界を単純化し、制限付きの問題を解く力である。この力を身につければ、分析的思考の持ち主に少し近づけるだろう。
図5-1を使うと、この章ではアクションと帰結の間のつながりという因果関係に媒介されるプロセスに注目していく。世界の仕組みについての理論を生み出す能力ということでは人間は傑出しているが、ここはその能力が活用される。しかし、世界は複雑なので、単純化の方法を学ぶことが大切だ。
5.1 なぜ単純化が必要か
新しいビジネス上の問いを解くためにプロジェクトを立ち上げるところを想像してみよう。ビジネス上の問いは、「3章 ビジネス上の良い問いの立て方」の教えに従ってビジネス目標から逆算して立てている。まず、ビジネス上の問いの背後に隠れている動因を見つけ、このレバーを引けばこの帰結が生まれるという理論を打ち立てる。
しかし、望んでいる帰結を得るために引けるレバーがたくさんあることはよくある。これらのレバーはそれぞれさまざまな帰結を生み出せる。そこで単純化が必要になる( ...
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