8章まとめ
後半の数章では非常に多くのことを取り上げた。分析の道具箱は本当に多種多様なので、多くのスキルがバラバラに散らばっているように見える。そこで、最後にこれらがどのような関係にあるかを広い視野から眺めてみよう。仕事でぶつかる難点にも触れる。そして最後に今後この分野がどのようになっていくかについての私の考えを述べようと思う。
8.1 分析スキル
今までの各章では、少なくとも1つのスキルを取り上げた。最後にこれらすべてを広い視野から眺め、残された課題に触れていこう。
8.1.1 処方的な問いの立て方
まず、ビジネス上の問いの立て方、特に処方的な問いの立て方を学ぶ必要がある。そのためにはまず、記述的、予測的分析と処方的分析の区別のしかたを身につける必要がある。これには練習が必要になる。
幸い、私たちはいつも意思決定をしている。そこで、職場とプライベートの両方で自分の意思決定を継続的に検討してこのスキルを練習し、身につけるとよい。分析力は筋力と同じで、意識して継続的に鍛える必要がある。
このスキルセットをさらに鍛えるために自問自答すべき問いをまとめると次のようなものになる。
- そもそもなぜ意思決定をしようとしているのか。
- 解決したい問題は何か。
- なぜこの問題が気になるのか。考えた結果得られるものは何か。
- 成果を実現するために取れるアクションは何か。
- 過去にどのようにしていたか。
- アクションとその成果との関係を精密に描くために必要とされる理想のデータセットは何か。
- アクションの帰結はどうだったか。帰結は何によって左右されたか。
- 隠れている不確実性は何か。その不確実性を取り除いて決定を下すためにはどうすべきか。
これらはあらゆる意思決定で問題にできることである。そのため、毎日行うもっとも基本的で日常的な意思決定を手始めにこれらの問いに答えるようにするとよい。 ...
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