初めてのAndroid 第4版

13章SQLを使いこなす

データベースは30年前から企業アプリケーション開発で重要な地位を占めてきたが、つい最近までコストが高く扱いにくいために小規模な用途には向かなかった。しかしAndroidプラットフォームに搭載されているもののように、小さな組み込みエンジンが登場するようになってこの構図が変わりつつある。

この章ではAndroidの組み込みデータベースエンジンであるSQLiteの使い方を説明する。またユーザーインターフェースにデータソースを接続するAndroidのデータバインド機能の使い方も学ぶ。最後にふたつのアプリケーションで同じデータを共有できるようにするContent Providerクラスを紹介する。

アプリの中で住所、オーダー、ゲームの指し手、その他さまざまなオブジェクトのリストを保持するためにContent ProviderとSQLiteが使える。プログラムの起動にまたがって常に複数の項目を覚えておかなければならない場合、これらのテクニックが役に立つ。

おまけとして、UIを反応よくスムーズな状態に保つLoaderクラスの使い方も取り上げる。Loaderを使わないと、データベースアクセスなどの時間のかかるタスクによってユーザーインターフェースが止まってしまい、ユーザーに悪い印象を与えることになってしまう。

13.1　SQLite 入門

SQLite†1はRichard Hipp博士が2000年に開発した小さいながら強力なデータベースエンジンである。おそらくSQLデータベースとしては世界でもっとも広く利用されているはずだ。SQLiteはAndroidのほか、Apple iPhone、Symbian phones、Mozilla Firefox、Skype、PHP、Adobe ...