6章 Diameterクレジット制御アプリケーション

本章では、クレジット制御機能を実現するDiameterアプリケーションについて解説する。

このアプリケーションは、通信量やアカウントの残高(料金の残高など)をリアルタイムに制御したい場合に利用できる。

例えば、オンライン課金システムでこのアプリケーションを使用することが考えられる。課金の方式は大きくオフライン課金方式と、オンライン課金方式に分けることができる。

オフライン課金方式は、月次等でまとめて請求金額を集計して課金する方式で「3章 Diameterベースアカウンティングアプリケーション」で解説したDiameterベースアカウンティングアプリケーションや「4章 Diameter NASアプリケーション」で解説したDiameter NASアプリケーションを使用しても実現できる。

しかし、オンライン課金方式では、以下の処理をリアルタイムに行う必要がある。

(1) サービスの提供前および提供中にアカウントの残高を確認し、サービスが提供可能か判断する。
(2) 残高不足が発生した場合に、サービスを制限(帯域の制限等)したり、追加でサービスを購入できるようにする。

このような機能を持たないDiameterベースアカウンティングアプリケーションやDiameter NASアプリケーションではオンライン課金システムは実現できないため、Diameterクレジット制御アプリケーションが必要となる。

6.1から6.7では、RFC 4006の記述に沿って、Diameterクレジット制御アプリケーションの重要な項目に絞って概要を解説する。RFC 4006は100ページを超える文書であり、Diameterクレジット制御アプリケーションのすべてについてはRFC ...

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